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【レビュー】原作の世界観を忠実に再現した実写版『キングダム』(2019)

2019年に公開された実写映画『キングダム』は、原泰久による原作漫画の世界観を忠実に再現した作品であった。続編公開と地上波放送に合わせて、あらすじ、感想、キャストについて解説しよう。

 

 

 

 

映画『キングダム』あらすじ

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紀元前250年の秦。

戦災孤児の少年・信と漂は、奴隷から抜け出すために、剣を鍛え、いつしか天下の大将軍となることを夢見るようになる。

来る日も来る日も共に鍛錬を積んだ信(山崎賢人)と漂(吉沢亮)は成長し、お互い実力が拮抗し、鍛錬の成果が現れ始めていた。

そんな最中、王都の大臣・昌文君(高嶋政宏)が票の実力を見込み、王都での仕事に就かせる。

お互いに別々の道を歩み始めた2人だったが、数日後に、漂が瀕死の重傷を負って、信のもとにやってくる。

票は信にとある地図を渡し、すべてを託したとの言葉を残し、この世を去ってしまう。
手渡された地図が示す場所へと向かった信を待ち受けているのは、あまりにも衝撃的な事実だった…。

 

 

 

漫画『キングダム』とは?

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映画『キングダム』は、同名の原泰久による日本の漫画作品を原作としている。

2006年より「週刊ヤングジャンプ」にて連載中の同作は、累計発行部数9000万部を突破している、超人気作品だ。

第17回手塚治虫文化賞マンガ大賞受賞作品でもあり、名実ともに、現在連載中の漫画の中でもトップに君臨していると言っても過言ではない。

2012年にはTVアニメシリーズ化もされ、第3シリーズまでの放送を終えている。

 

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紀元前3世紀の古代中国の春秋戦国時代末期を舞台にした壮大なストーリー展開は、常に読者を楽しませ、全く飽きさせない。

言うなれば、すでに物語の結末は決まっている作品ではあるが、そこまでの過程で楽しませているのだ。

 

 

 

感想:原作の世界観を忠実に再現

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これまでも多くの漫画作品が実写映画化されてきた日本の映画界だが、正直なところ、世界観を再現するという点においては、いまひとつ良い印象を持っていなかった。

ましてや、バトル漫画やアクションといった外連味のある世界観を再現するというのは、極めて難しく、どこか違和感を感じずにはいられない作品が多かったのも、また事実である。

そんな経緯もあり、今回の『キングダム』実写映画化に際しても、「やめておけばいいのに」といったようなネガティブな思いが強く、鑑賞前は全くと言ってもいいほど期待はしていなかった…。

ところが、開始早々の導入部で、早くも登場した大沢たかお演じる王騎将軍の姿にあっと驚かされた!

その圧倒的な存在感や軍勢を従える姿は、漫画の世界から飛び出してきたかのようなのだ。

冒頭ですでにその再現力に驚かされたものだが、これから先にもさらなる驚きが待ち受けている。

確かに、首が飛んだりするバイオレンス描写や血みどろなゴア描写は、原作に比べると物足りない部分があり、抑え気味な印象を大いに受けるのだが、大規模な中国ロケや巨大セットで忠実に再現された中国春秋時代の世界観は、もはや壮観!

特に驚いたのは、やはり山の民たちの本拠地であろう。

漫画で観ていた景色がそのままリアルに再現されており、『キングダム』ファンなら思わず鳥肌ものだろう。

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景色だけでなく、実写化は難しいだろうなと考えていた、いわゆる最初の敵である朱凶やその巨漢ぶりが印象深いランカイなどのキャラクターもしっかりと再現されており、思わず唸りたくなってしまった。

そういったキャラクターとの戦闘シーンも含めて、大迫力な映像で映し出される壮大な『キングダム』の世界は、まさに近年稀に見る究極の実写映画版と言っても過言ではないだろう。

普段、ハリウッド映画ばかり観ている筆者でも驚かされるその映像表現は日本映画の歴史を変えたと言えるほどに素晴らしい出来栄えである。

 

 

 

キャストについて:原作キャラクターをカンペキに再現した演技

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本作のキャストは、漫画作品の実写映画化ではおなじみとなった山﨑賢人や吉沢亮といった俳優陣が顔を揃えているが、皆が皆、圧巻の熱演を魅せているのも見どころだ。

特に主人公・信を演じた山崎賢人は、信の表情や性格、さらには声のトーンまで、原作通りのイメージで作り上げているのが印象深い。

まさにそのまま実写の世界に飛び出してきたかのような魅力を醸し出しており、信が持つ熱量を完璧に再現して魅せる。

また、政役を演じた吉沢亮は、『仮面ライダーフォーゼ』やその他の過去作からもわかるように、影のある役どころを演じることに非常に長けた俳優である。

そのため、今回の役どころも彼にとっては非常にハマり役で、吉沢亮の真骨頂とでも言うべき演技を魅せてくれるのだ。

彼ら以外にも、河了貂役の橋本環奈、先にも述べたが王騎役の大沢たかお、楊端和役の長澤まさみなど、原作キャラクターをカンペキに再現して魅せるキャストの演技には目を奪われる次第。

主要人物だけでなく、要潤石橋蓮司高嶋政宏満島真之介などなど、脇で素晴らしい演技を魅せている方々もいるので、そちらからもぜひ!目を離さないでもらいたい!

 

『キングダム2 遥かなる大地へ』は、2022年7月15日より全国ロードショー!

 

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