『キングダム2 遥かなる大地へ』羌象を演じる山本千尋ってどんな人？【プロフィール・出演作・まとめ】
2022年7月15日より全国ロードショーの映画『キングダム2 遥かなる大地へ』。原泰久による大人気漫画を実写映画化した2019年の作品の続編となるわけだが、本作から新たなキャストとして加入した一人の女優に注目したい。羌象役を演じる山本千尋だ。今回は、彼女のキャリアに迫る！
- 香港映画マニアの母に影響され中国武術の道へ
- 次世代のアクション女優としての道を歩みだす
- 『ウルトラマンジード』鳥羽ライハ役に抜擢！
- 坂本浩一監督作『BLACKFOX: Age of the Ninja』で初主演！
- 『キングダム2』『鎌倉殿の13人』話題作に続々出演！
香港映画マニアの母に影響され中国武術の道へ
山本千尋は、1996年8月29日に兵庫県神戸市で生を受けた。
幼き頃から香港映画マニアだった母親の影響を受けていた彼女は、3歳の頃、近所にあった中国武術の稽古場へ姉と共に通い始め、小学生になる頃には競技スポーツである武術太極拳の練習を始めるなど、本格的に中国武術の世界へと足を踏み入れた。
小学6年生になる頃には、第2回世界ジュニア武術選手権大会で金メダルと銀メダルを一つずつ獲得、その後も2010年から2012年にかけてJOCジュニアオリンピック武術太極拳大会で長拳、剣術、槍術の3種目で3連覇を果たすなど、華々しい戦績を築いていった。
そして2012年に行われた第4回世界ジュニア武術選手権大会で金メダル1枚、銀メダル2枚を獲得し2度目の世界一に輝いたことを区切りに競技生活に終止符を打った。
次世代のアクション女優としての道を歩みだす
選手としての活動に区切りをつけた山本千尋は、幼いころからのジャッキー・チェンやジェット・リーといった俳優たちへの憧れから、女優としての道を歩みだす。
2013年、舞台『時空警察ヴェッカー1983』で女優デビューを飾ると、翌2014年には映画『太秦ライムライト』で映画初出演ながらヒロイン役に抜擢され、第3回ジャパンアクションアワードでベストアクション女優賞を受賞する快挙を成し遂げた。
2015年には「スーパー戦隊シリーズ」第39作『手裏剣戦隊ニンニンジャー』へゲスト出演。
主人公・天晴の友人で忍者塾の講師を務めるキキョウ役に扮し、圧巻の殺陣を披露。
ニンニンジャーと共に、敵怪人を圧倒する活躍を魅せ、ベテランスーツアクターたちに引けを取らないアクションを見せつけた。
そんな彼女の名前が一躍有名になった作品と言えば、やはり2016年に公開された『キングダム』連載10周年実写特別動画であろう。
同作で羌瘣役に扮した彼女は華麗な剣舞を披露。
しなやかな動きの中に鋭さを感じさせる美しき姿は大きな話題となり、注目のアクション女優として有名になった。
同年、映画『仮面ライダー平成ジェネレーションズ Dr.パックマン対エグゼイド&ゴーストwithレジェンドライダー』で敵グループの一人である武田上葉＝ギリルバグスター役を演じ、さらなる転機を迎えることになる。
同作で監督を務めたのは、彼女と同じく中国武術に精通している坂本浩一だったのだ。
この出会いが後の女優人生において大きなターニングポイントとなったことは言うまでもなく、ここから山本千尋は大きく飛躍していくことになる。
『ウルトラマンジード』鳥羽ライハ役に抜擢！
2017年に放映された『ウルトラマンジード』は、「ウルトラマン」シリーズの悪役として有名だったウルトラマンベリアルの息子を主人公とした異色作。
山本千尋は同作のオーディションへ参加するよう坂本浩一からの強い要望を受け、見事にヒロイン役を手にするに至った。
彼女をライハ役に抜擢した経緯について坂本は「ライハと山本が脚本の段階から同化していた」と後に語っている。
その坂本の考えは見事に的中し、劇中でライハ役に扮した彼女は実に活き活きとした演技を披露。
得意の中国武術を駆使したアクションも迫力があり、特撮ファンから厚い支持を得た。
坂本浩一監督作『BLACKFOX: Age of the Ninja』で初主演！
『ウルトラマンジード』を卒業後、様々な役柄に挑戦し続けた山本千尋は、2019年、ついに初主演の座を手にすることになる。
盟友である坂本浩一がメガホンをとった特撮時代劇アクション『BLACKFOX：Age of the Ninja』である。
同作は、同年公開のアニメ映画『BLACKFOX』との連動企画で実写版として製作された作品で、アニメの前日譚に当たるストーリーが展開される。
監督を務めた坂本にとっては子供の頃から好きだった東映時代劇への想いが結実した一本で、とても思い入れの強い作品であったが、なんと、その主演に坂本は山本千尋を抜擢したのだ。
山本は人里離れて暮らす忍者一族に生まれ育った主人公の石動律花役を演じたわけだが、あくまでも同作は日本を舞台とした「時代劇」であるため、得意の中国武術は封印することになる、
中国武術は剣自体を回しながら戦うため間合いが遠いのに対し、日本の剣術は近づいて斬るスタイル…山本千尋にとっては新たな挑戦だったという。
撮影現場ではまるで師匠と弟子の関係性であるかのように、坂本からの強い指導が繰り返される中で、山本は見事に仕事を全うしてみせた。
作品は海外でも高い評価を受け、山本千尋は本物のアクション女優としてさらなる進化を遂げたのである。
『キングダム2』『鎌倉殿の13人』話題作に続々出演！
そして山本千尋という女優は、今まさに大きく飛躍を遂げようとしている。
2022年7月15日より公開の映画『キングダム2 遥かなる大地へ』では、物語のキーパーソンの一人である羌象役を演じている。
羌象は、主人公・信と共に戦いへ身を投じていく羌瘣が姉のように慕っていたキャラクター。
羌瘣が戦い続ける理由は羌象にあると言えるようなとても重要なキャラクターなのである。
かつては羌瘣役を演じた経験もある彼女がどんな演技を披露してくれるのかにも注目が集まる。
さらにNHK大河ドラマ『鎌倉殿の13人』では、これまた重要人物である孤児（みなしご）のトウ役を演じ、大河初出演となった同作で大いに魅力を発揮している。
大作映画から大河ドラマまで、幅広く活躍する‘‘新時代のアクション女優’’山本千尋。
今後も彼女の華麗なる女優人生から目が離せない！（文・構成：zash）
