ROADSHOW

映画・海外ドラマのコラム、レビュー、ニュースをお届け!

MENU

『ハリウッド・スターガール』主演のグレース・ヴァンダーウォール、監督のジュリア・ハートらが語った本作への想いとは?

2022年6月3日よりディズニープラスにて独占配信となる映画『ハリウッド・スターガール』。

2020年に製作された『スターガール』の続編となる本作は一体どんな作品に仕上がっているのだろうか?

今回は、スターガール役のグレース・ヴァンダーウォール、エヴァン役のイライジャ・リチャードソン、テレル役のタイレル・ジャクソン・ウィリアムズ、アナ役のジュディ・グリア、そして監督・脚本を務めたジュリア・ハートが出席した記者会見の様子をお届けしよう。

 

 

スターガールらしさは変わらない。でも、今作における違いは、彼女が成熟していること

『ハリウッド・スターガール』© 2022 Disney ディズニープラスで配信中

 

司会者(以下M):ジュリア、まずあなたから始めましょう。今作を作る経験は、1作目と比べてどのように違いましたか?


ジュリア・ハート(以下JH):私たちが1作目を作った時、私は2人目の子供を産んで8週間目だったの。だから(今作は)もっと簡単だったわ(笑)。私の一番下の子供は、もう4歳なの。私たちが『ハリウッド・スターガール』を撮影していた時、彼は3歳になったの。それが私にとって最大の違いだったわ。それから、私が住んでいるロサンゼルスで撮影出来たのは、とてもスペシャルなことだった。私たちは、1作目をアルバカーキーで撮影したの。あそこは、私が映画を作るのに、大好きなところの一つよ。でも、家に滞在出来て、私が作った映画の中で、ロサンゼルスを見せることが出来たのは本当に素晴らしかったわ。


M:グレース、2年後にこのキャラクターに戻ってくるのはいかがでしたか?また、観客は今回、彼女はどう変化しましたか?

 

『ハリウッド・スターガール』© 2022 Disney ディズニープラスで配信中


グレース・ヴァンダーウォール(以下G):とてもエキサイティングだったわ。みんながスターガールのことが大好きだということがわかった後で、このキャラクターをまた演じられるということで、さらに感謝したし、光栄だと思ったわ。とても緊張したけど、ゆっくりと彼女への愛が、もっと高まっていったように感じたの。だから、彼女を演じることが出来てとてもハッピーだった。彼女は成長しているの。彼女は世界を見て、さまざまなことを経験しているのよ。 彼女らしさは変わらない。でも、今作における違いは、彼女が成熟していることで、「成熟」という言葉と、それが彼女にとって実際何を意味しているのかを定義しているんだと思うわ。

 

彼女は世界を違うふうに見ている…違う視点から物事を見たり良い部分を見ようとするの

M:ジュディ、このキャラクターやこの映画のどこに惹かれて出演したいと思ったんで
すか?


ジュディ・グリア(以下JG):1作目は、本当に私を夢中にさせたの。実は、まだ見ていなかったの。みなさん、ごめんなさい(笑)。この役をオファーされてから私の夫と一緒に1作目を観たんだけど、泣いたり、笑ったりして、大好きな作品だった。とても温かいハートのある映画だったわ。それから、ジュリアととても素晴らしいZOOMミーティングをして、彼女に恋してしまったの。私たちは、この映画をコロナ禍の間に撮影したのよ。私は個人的に、他のみんなと同じように、家から出かける必要があったの(笑)。それから私は、心が大きくて愛情ある人々と一緒にいたいと思っていたから、彼らと仕事をすることでそれを手に入れられるだろうと感じたんだけど、思っていた以上に正しかったわ。

 

roadshow.jp


M:イライジャとタイレル、あなたたちと演じたキャラクターと似ている点や違いは何
ですか?


イライジャ・リチャードソン(以下E):正直に言って、僕たちはそっくりだと思う。そっくりなんだ。僕たちは同じ情熱を持っている。僕とタイレルは、実際ケミストリー・リーディング(相性がいいかどうかを見るためにセリフを一緒に読んでみること)で意気投合したんだ。彼はごく自然に僕の兄のように感じられた。だから、僕たちがセットに行った時、その時点では、ただセリフを言えばよかったんだ。

 

タイレル・ジャクソン・ウィリアムズ(以下T):そうだね。とても簡単で、完璧だと感じられた。最初のケメストリー・リーディング、最初のオーディションからでさえね。僕たちがセットに到着してすぐ、「おお!これからこういうふうになるの?じゃあ、僕たちが心配しないといけないことは何もないね」という感じだった。

 

『ハリウッド・スターガール』© 2022 Disney ディズニープラスで配信中

 

M:ジュディ、ネタバレしないように言いますが、映画の中で、アナは娘のスターガールから学びます。この映画のメッセージから、あなたが個人的に感じたことは何かあり
ますか?


JG:あなたがメッセージと言った時、ちょっとどぎまぎしたわ。なぜって、私の衣装全部を持ち帰ろうとしたって言おうと思ったからよ(笑)。私たちの衣装デザイナー、ナタリー・オブライエンは、本当に完璧な仕事をやってのけたの。スターガールの限りない楽観主義は、みんなに伝染したと思うわ。 このパネルにいるみんなが私に同意するのは間違いないわ。なぜなら、彼女は世界を違うふうに見ているからよ。スターガールは色々な物事を吸収し、幸せと愛と積極性を生み出すの。それが、私が今作から得たメッセージよ。違う視点から物事を見たり良い部分を見ようとするの。

 

 

 

M:今衣装について触れましたが、素晴らしいですね。そのことについて少し話してもらえますか?


JG:すべてが。すべての衣装が素晴らしかったわ。

JH:ナタリー・オブライエン。並外れた衣装デザイナーよ(笑)。

M:グレース、イライジャ、タイレルに質問です。3人の相性が大好きでした。会ってすぐに気が合ったんですか?そういう絆を築くために努力しないといけなかったんですか?

G:(大笑)

E:(笑)僕たちは、あの絆を得るためにちょっと努力しないといけなかった。最初、僕たちは「オッケー。これがあなたなんだね」って感じだった(笑)。でも最終的にもっと一緒に過ごし始めて、僕たちにはたくさん共通することがあることに気づいたんだ。僕たちはみんな食べ物が好きだ。それで、僕たちは一緒に食べに出かけた(笑)。しばらくしたら、僕たちは気が合い始めた。でも、すぐにそうなったわけじゃなかったよ。

G:そうね。私たちはとても恥ずかしがり屋だったと思うわ(笑)。私はとても恥ずかしがり屋なの。私たちはみんなとても恥ずかしがり屋だった。そういうことだったのよ。初めて、外の世界で一緒に時を過ごして、「ああ、私たちはリアルな人々なんだ。あなたは(普通の)人だし、私も(普通の)人だし」って思ったの(笑)。私たちは普通だわって。言ってることわかる?

T:それはまた、コロナ禍の副作用みたいなことでもあったと思う。なぜなら、僕たちは、撮影が始まろうとしている数日前に、数回初めて会ったんだ。Zoomの画面を通してお互いのことを知っていた。だから、僕たちが初めてお互いに直接会った時、「ヘイ。あなたの体全体を見れる。マスクをしていなくて、ちょっとこわいな」って感じだった(笑)。でもしばらくしたら、僕たちは「おお、いやあ。これが、人々と再び交流するということなんだ」って感じたよ。

M:本当にあなたたち3人の絆を見ることが出来ます。何かお気に入りの、またはとても可笑しかった思い出はありますか?

T:今となってはお気に入りの思い出があるよ。でも、僕たちが撮影している時には、それは多分僕たちのお気に入りじゃなかった(笑)。僕たちは、映画の中で重要なロケーションのフォルテ(クラブの名前)でたくさん撮影していた。それらを、サウンドステージで撮影していたんだけど、何度かテイクを撮った後、とても、とても暑くなった。僕たちみんなはそこで、お互いに踊ったり、笑ったりして素晴らしい時を過ごしていた。それから、数分後、みんながお互いを見て「これは素晴らしい。でももう我慢できない。外に行ってもいい?」ってなった(笑)。僕たちみんなが外に走って行って、アイスコーヒーとか飲んで涼んだんだ。そういうときを思い出すよ。

G:そのことを忘れていたわ。あれは私の大好きな思い出よ。クラフティ(店の名前??)ね。アイスコーヒーってあなたが言った時、私はそれについてすっかり忘れていたわ。それからビーチね。あれを見るのは大好きよ。なぜなら、あのシーンの多くは私たちのBロール(雑感映像)で、あの日の一番最後に撮影したの。あのモーメントを見るのはとても素敵よ。あれはいい日だったわ。

E:僕の大好きなところは、僕たちが撮影したすべてのモンタージュ・シーンだよ。なぜなら、僕たちがとても楽しんだからだ。僕たちは、やりたいことを何でも出来たんだ。走り回って楽しんだ。僕が大好きなシーンは、丘を駆け上がって行くところだよ。僕とタイレルは本当に競争していたんだ。僕たちは、丘を登るのを競争していた。ジュリアは「ノー、ノー。もっとゆっくり、もっとゆっくり」って言ってたよ。

G:なぜって、私が遅れていたからよ。私は10フィートくらい後ろにいたの。あなたたちは1分に1マイル(1.6キロ)くらいの速度で走っていたわ。「待って、待って!」って感じだったのよ(笑)

T:僕たちは、オリンピックに出ているみたいに走っていたんだ(笑)。

M:誰がレースに勝ったんですか?

E:僕が勝ったと思うよ。

T:僕もイライジャが勝ったと思う。

G:イライジャがレースに勝ったと思うわ。

 

映画全体をスターガールの目と心を通して描くのはとてもエキサイティングだったわ

『ハリウッド・スターガール』© 2022 Disney ディズニープラスで配信中

 

M:ジュリアに質問です。あなたにとって、スターガールのすべてのストーリーを、原作の続編から直接映画化するのではなく、こういう方向性のものすることがなぜ重要だったんですか?


JH:私は、そういう機会を持つことが出来て、とてもワクワクしたの。私はスターガールが大好きだし、ジェリー(・スピネリ)の本が大好きよ。でも、私は彼女をマイカ(1作目の舞台となった町の名前)からもっと大きな世界に連れ出したかったの。彼女の旅を、さらに大きなスケールで見せるためにね。私はまた(グレースと一緒に続編を開発することにも)とてもワクワクしたわ。私は、グレースと続編の企画開発をいろいろと話して、とても楽しかったの。グレースは、1作目を作った時14歳だったのよ。私たちが今作を作った時、彼女は17歳だった。それはとても大きな違いよ。私たちは、若い女性としての成長と、スターガールの成長を、そして彼女たちがどのように違い、どのように似ているかということをとても讃えたかったの。続編を作ることでもっともエキサイティングで、もっとも重要だったことは、映画がスターガールの視点から描かれていることだわ。なぜなら、1作目と最初の原作は、明らかにレオの視点で、彼女がスターガールをどのように見ているかを描いていたからよ。だから、映画全体を、彼女の目と心を通して描くのはとてもエキサイティングだったわ。

 

M:1作目では、初恋、子犬の恋のようなロマンスが出てきます。そして青春物語は(今作でも)続いています。スターガールと同じ方向に向かっている人とのもっと成熟した関係について話して下さいますか?


JH:彼女のマイカでの経験は、明らかに浮き沈みがあったわ。私が最終的にロサンゼルスを選んだ理由の一部は、彼女が、彼女みたいな人々でいっぱいの町にやってくるというアイディアが大好きだったからよ。ロサンゼルスは、世界でもっとも多様性があり、エキセントリックで、エキサイティングな町の一つよ。たとえば、スターガールは、(ロサンゼルスにやって来た)初日に、彼女みたいにおどけていて、ユニークな人々に出会うの。だから、彼女を小さな町の設定から、私たちが大好きな、大きくてクレイジーな町に連れてくるのは、とてもエキサイティングだと思ったのよ。

 

 

 

ロサンゼルスとそこに住む人々へのラブレター

M:そうですね。今作はある意味、ロサンゼルスとそこに住む人々へのラブレターだと感じられました。みなさんにとって、ここで撮影するのはいかがでしたか?なぜ、特にロサンゼルスなんでしょうか?


JH:私は、「なぜ特にロサンゼルスなのか?」という部分を答えるわ。ここで撮影したことについては、あなたたちに答えてもらうわね。面白いことに、元々私たちはどこか他のところを舞台にするはずだったんだけど、コロナ禍が起きたの。私の夫で、共同脚本家のジョーダン・ホロウィッツと私は、元々映画の舞台にするはずだったところに旅行に行ったの。それからコロナ禍が始まったのよ。それで私たちはここにいたの。そして、コロナ禍の間に私たちがもっとも恋しかったのは、私たちの映画ファミリーだった。一緒に映画を作るのが大好きな素晴らしいクルーたちよ。私はもちろんグレースを知ってたし、彼女がスターガールになることがわかっていた。でも、私たちが脚本を書いている時、彼ら(イライジャとタイラ)のことはまだ知らなかったの。私たちは、ロサンゼルスと、私たちが会えなくて寂しく思っているすべての人々へのラブレターを書くと決めたの。私たちみんなが家でロックダウンしている間にね。彼らについて、そして私たちが隔離していた町について書くのは、とても素晴らしかったわ。そういうことになって感謝している。なぜなら、これは最終的にこの映画の最高のバージョンだと思うからよ。私はすべてのキャラクターたちに恋をした。彼らはコロナ禍の間、私の友達になったの(笑)。なぜなら、彼らは、私が一緒に時を過ごせる唯一の人々だったからよ。たとえ彼らが脚本の中のただの言葉であってもね。そして私は、これらのキャラクターに素晴らしい命を吹き込んでくれた、ここにいる素晴らしい人々と会うことが出来たの。

G:私は、ロサンゼルスで撮影するのが好きだったわ。なぜなら、映画を撮影していると、たくさん休みの時間があって、どこにいても、いろんなものを見ることが出来るからよ。私がロサンゼルスに来る度に、、、私はずっと人生でいつもとてもよく働いて来たから、ロサンゼルスに何度も来ていても(これまでいろんなところを見ている時間がなかったから、今回いろんなところを見れて)素敵だったわ。これまでで一番ロサンゼルスをよく見れたように感じる。私はここが好きだわ。ある意味クールよ。クールなところがあるのよ(笑)。

E:このプロジェクトの前、僕は一度もロサンゼルスに来たことがなかったんだ。だから、これは僕の初めての経験だった。僕は、仕事をしに来たんだ。「ワオ!」って感じだったよ。

G:(笑)

E:僕は、今まさに起きていることに注意を払っていた。それは本当に素晴らしかった。僕がこういうところだろうと予想していたすべてだった。そして、僕がここで仕事が出来るということで、さらに良かったよ。

 

 

 

映画のために歌を書くことが出来て、とても光栄だったわ

M:グレース、あなたは1作目のために作曲して、今作でもまた作曲しました。“フィギュア・イット・アウト(Figure it Out)”は美しい曲です。あなたは「ハリウッド・スターガール」のために書いたんですか?それとも、あなたが撮影している時に自然に生まれたんですか?

 

『ハリウッド・スターガール』© 2022 Disney ディズニープラスで配信中

 

G:この歌は、映画のために書くということを計画されたものなの。私はこれまでそういうことを一度もやったことがなかった。これまで、何かについての曲を書くなんて依頼されたことはなかったわ。宿題というとちょっと違うけど、宿題みたいなものだったの。だから、私はとてもナーバスだったわ。なぜって、「オーゴッド。みんなは私がこれを出来ると思っている。でも、これまで一度もそういうことをやったことがないのよ!」って感じだったの。でも、やってみると思ったより簡単だったしとても楽しめた。私は、映画のために歌を書くことが出来て、とても光栄だったわ。曲を書くのが大好きだし、何よりこの映画が大好きだから。


M:あなたの作曲のプロセスを教えてください。


G:とても、とても大変だったわ。なぜなら、イライジャ、あなたはまだキャストされていなかったからよ。だから私は、「ああ、私はラブソングを書いているんだ」っていうふうに考えられなかった。これは、プロセスの非常に早い段階だったからよ。まだ白紙だったの。その時はまだ脚本についてさえほとんど知らなかったのよ。多分、それは嘘かも。わからないけど。(脚本は)読んでいたかしら?

JH:その時点で、あなたはすでに脚本を読んでいたと思うわ。

G:オッケー。そうね。

JH:私は昔先生だったの。それを“宿題”と呼ぶのは、実はとても適切だと思うわ。なぜなら、私はきっと(先生が生徒に向かって話すように)「オッケー、グレース」って感じだったと思うから(笑)。

JH:“フィギュア・イット・アウト(figure it out)”は、脚本の中のテーマだったの。進みながら(なんとか解決策を)考えてみないといけないというアイディアよ。映画の中で、キャラクターたちが言ういくつかのセリフがあるの。たとえば、スターガールは、「もし私たちが、私たち(の関係)を考えてみたら?」って言う。そしてロクサーヌは、「あなたは自分自身の曲を考えないといけない」って言うわ。だから、その言葉(figure it out)は、映画を通して何度も繰り返されることになるの。それで私がグレースに言った唯一のことは、「その歌のタイトルを“Figure It Out”にしたいの。そして、それはクリエイティブなプロセスについての曲であるべきなの」ということだった。なぜなら、今作は、クリエイティブ・プロセスと、クリエイティブ・プロセスを豊かに、充実したものにしている人々について描いたものだからよ。私はそれだけを(グレースに)言ったと思うわ。そして、彼女と、素晴らしいマイク・エリゾンドは、、、私はマイクと一緒に仕事をするのがすごく好きだったし、彼を私に紹介してくれたグレースにとても感謝しているの。

G:マイクが大好きよ(声が重なる)

JH:素晴らしかったわ。だから、私たちはとても早い段階でそれをしたの。あの歌がすごく好きよ。

G:そして、とても簡単に出来たの。私はちょうど、私がすでにある種の雰囲気を感じていたことを言われたの。友情が多分、何かそれ以上のものに花咲き始めている感じなの。それは無邪気でエキサイティングよ。そして、まだ子供だと感じられるけど、また「オーマイゴッド、私は成長していて、こういうことを経験出来るんだわ」って感じられるの。心が浮き立つ感じなのよ。ああ、あのフィーリングが大好きだわ。私はそういうことについての曲を作ろうとしたの。そういうふうに感じてもらえるといいんだけど(笑)。

JH:そう感じたわ。

M:間違いなくそうでした。

 

roadshow.jp

 

自分の問題から逃げることは、物事を進める方法じゃない

『ハリウッド・スターガール』© 2022 Disney ディズニープラスで配信中

 

M:ジュディへの質問です。今作で、あなたはアナのとても傷つきやすいところを演じました。こういう大人の怖れを、若い観客が共感しないといけない役どころに持ち込むために、どのようにアプローチしたんですか?


JG:私は観客についてはあまり考えなかったの。多分、考えるべきだったわね(笑)。

E:(笑)

JG:すべては脚本にあったの。だから、私自身では特に大して何もやらなくてよかったのよ。なぜなら、ジュリアとジョーダンは本当に素晴らしい脚本を書いたからよ。親であり、年長の子供がいる時、傷つきやすくなるようなことがたくさんあるの。なぜなら、子供がある年齢になると、自分のすべての欠点を隠そうとするのをやめることが出来たり、年長の子供に心を開いて弱さを見せたり出来る時があるからよ。または、自分は完璧な親で、完璧な人間だという夢を生かし続けようと戦うことも出来る。今作のストーリーのアナは、葛藤しているの。彼女は危機に瀕していて、どのようにすれば自分自身を第一にし始めることが出来るかわからないし、どうすれば娘に正直になり始められるかわからないの。私の2人の継子たちがティーンエージャーの時に経験した、こういったことを考えたの。そういうストーリー展開でアナを演じていて、私は、私の子供たちとの多くのモーメントを思い出したわ。私は、「彼ら(継子たち)にこのことを今話すわ。私はもう自分を偽ることは出来ない」って感じだったの。それは多分(笑)、悪いことだったかもしれないけど、人間として、アーティストとして、私にとってとてもカタルシス(精神浄化作用)があることだったのよ。

 

 

 

M:みなさんへの質問です。今作を見る家族、特に10代の若者たちに、どんなことを感じてもらいたいですか?


G:誰が答えたい?(笑)

E:(笑)僕が答えるよ。

JH:ティーンエージャーたちに答えてもらいたいわ。

E:基本的に、僕が彼らに今作から感じてもらえたらと願っていることは、自分の問題から逃げることは、物事を進める方法じゃないと学ぶことだよ。最終的にはその問題に直面しないといけない。リスクを冒すことは、いつも失敗することを意味していない。リスクを冒して、もっとも成功した人になることだって出来る。言ってることわかる?だから、喜んでリスクを冒すことだよ。

G:今のは良かったわ。とても、とても良かったわ。それは実際のところ、私が今作から感じ取ったことを思い出させたわ。誰もがそういうことに共感出来る。これは、私たちみんなが、全人生においてずっと対応してきていることだと思う。人生は、完全に自分のコントロール外にあるということよ。そのことにとても腹を立てるか、または柔軟に困難なことに対応して、周囲にある機会を開いて、それを取り入れるかね。それがどれほどあなたの人生を変えることになるか、またはまったく変えないか、決してわからない。進みながら考えていくの(笑)。私が今作から感じ取ってもらいたいことはそういうことだと思うわ。

 

映画『ハリウッド・スターガール』は、ディズニープラスで配信中。(日刊ロードショー)