【レビュー】Netflixに見参!もはやこれは怪獣映画だ!『ザ・スーサイド・スクワッド "極"悪党、集結』(2021)
2022年4月27日よりNetflixで観られるようになったDC映画『ザ・スーサイド・スクワッド "極"悪党、集結』。本作は、2016年に製作されたデヴィッド・エアー監督による『スーサイド・スクワッド』の仕切り直しとなる"続編"である。今回は、あらすじ、感想、キャストについてお届け!
- 『ザ・スーサイド・スクワッド "極"悪党、集結』あらすじ
- 感想:最後には「怪獣映画」へと変貌を遂げる、最強B級映画
- キャストについて:本作のMVPは‘‘あの人’’!?
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『ザ・スーサイド・スクワッド "極"悪党、集結』あらすじ
ジョーカーと別れて彼氏募集中の身になり、ますますクレイジーになったハーレイ・クインを筆頭に、最強スナイパーのブラッドスポート、虹色のスーツに身を包んだ陰キャのポルカドットマン、平和のためには暴力もいとわないという矛盾な生き様のピース・メイカー、ネズミを操って戦うラットキャッチャー2、そして食欲以外に興味のないキング・シャークという、いずれも強烈な個性をもった悪党たちが、減刑と引き換えに、危険な独裁国家から世界を救うという決死のミッションに挑む。
感想:最後には「怪獣映画」へと変貌を遂げる、最強B級映画
前作が『ブラックホーク・ダウン』(2001)を彷彿させる骨太戦争映画の様相を呈する作品であったのに対して、本作はB級映画のような雰囲気を纏ったコメディ寄りのエンターテインメント作品と言えるだろう。
本作でメガホンをとったジェームズ・ガンはマーベル・シネマティック・ユニバース『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』シリーズで一躍有名になったフィルムメーカーであるが、やはり集団ヒーローの活躍を描くことに長けている印象を受ける。
キャラクター一人一人の役割を明確にしながら、それぞれの個性を発揮させ、最後にはそれらを一つにまとめあげ、大団円を迎える。
今回のキャラクターたちは皆悪党であるわけだが、それでも魅力的に魅せてしまうあたりは流石だ。
また『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』でもそうだったが、音楽の使い方が非常に巧い!
本作でも冒頭からいきなりジョニー・キャッシュを使うなど、そのセンスはピカイチだ。
そして最後に本作の最も魅力的な部分といえば、血がドバドバと飛び散るゴア描写と人の腕や頭が吹っ飛ぶグロ描写だ。
『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』でジェームズ・ガンを知ったファンには馴染みがないかもしれないが、ガン監督はこういったグロ・ゴア描写を非常に得意としている監督なのだ。
長編映画監督デビュー作となったスーパーヒーロー映画『スーパー!』(2010)や製作に名を連ねた『ブライトバーン/恐怖の拡散者』(2019)なんかもそんな作品だった。
本来であれば不快感を与えかねない描写の数々であるが、ジェームズ・ガンの手にかかればなんのその!爽快感すら感じさせるほど気持ちが良い!
こういった部分もB級映画っぽさを醸し出しており、ストーリーを追っていくことばかりに縛られず、何にも気にせずに楽しめる要因になっているのである。
最後には「怪獣映画」へと変貌を遂げるのだから、もうやりたい放題だ!
キャストについて:本作のMVPは‘‘あの人’’!?
前作から続投となるリック・フラッグ役のジョエル・キナマン、ハーレイ・クイン役のマーゴット・ロビー、キャプテン・ブーメラン役のジェイ・コートニー、アマンダ・ウォラー役のヴィオラ・デイヴィスに加えて、本作から初登場となるキャストも実力を大いに発揮する。
中でも評価したい俳優が3人ほどいる。
まず一人目は本作で主人公として存在感を発揮するブラッドスポート役のイドリス・エルバ。
彼はすでに『マイティ・ソー』シリーズのヘイムダル役でアメコミ映画俳優として活躍しているが、本作では異なる正反対と言っても過言ではないキャラクター性を発揮している。
"決死部隊"の新リーダーとして仲間を先頭に立って率いていくキャラクターだが、どこか遊び心さえ感じさせる存在感も放って見せる。
こういった部分は堅物リーダーのリック・フラッグとは異なる部分であり、新生スーサイド・スクワッドを象徴するキャラクターと言えるだろう。
続いて二人目は、ジョン・シナ演じるピースメイカーだ。
本作におけるMVPはピースメイカーだと言っても過言ではないほど、彼の存在感が面白い!
どんなにシリアスな場面でも箸休め的なおとぼけっぷりを醸し出し、キャラだだかぶりのブラッドスポートとの軽妙な掛け合いも大いに笑いを誘う。
演じるジョン・シナにとって新境地となったことは言うまでもなく、その一挙手一投足に注目だ。
三人目はなんと言ってもキングシャーク役のシルヴェスター・スタローン。
おそらく最も魅力的なキャラクターであるキングシャークのナナウエを可愛らしく演じて魅せる。
他作品に登場した際には根っからの悪者として描写されることの多いキングシャークをここまで魅力的に演じられるのはスタローンぐらいであろう。
そしてこんなにも可愛いキャラクターに仕上げてくれたジェームズ・ガンにも感謝したい。
もちろんマーゴット・ロビー演じるハーレイ・クインのサイケデリックな存在感も健在で、変わらぬ魅力を放ち続けているところも素晴らしいの一言に尽きる。
そのほかに『ダークナイト』(2008)のデヴィッド・ダストマルチャン、『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』(2014)のマイケル・ルーカーらの活躍も必見だ。
前作から5年…新生スーサイド・スクワッドは、原作の持つ魅力や世界観をこれ以上ないほどに映像化した作品だった。
今後さらなる世界観の広がりに期待したいものだ。
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