‘‘愛’’という言葉の意味…あなたは知っていますか？『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』の魅力【あらすじ・見どころ】
2021年に「金曜ロードショー」で放送されたことでも大きな話題となったTVアニメ『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』。いま、泣けるアニメNo.1の呼び声高い本作の魅力とは？
‘‘愛’’って何ですか？いま、最も泣けるアニメ
暁佳奈による小説『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』を原作に、2018年、京都アニメーションが映像化した、アニメ作品。
身寄りがなく、少女兵として育てられたヴァイオレット・エヴァーガーデンが、戦争が終結した世界で、「自動手記人形」と呼ばれる代筆屋の仕事を始め、人としての感情や彼女にとって、とても大切な存在であるギルベルト少佐が口にした‘‘愛’’という言葉を理解しようとしていく姿が描かれる。
TVアニメ『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』は、常に戦争と隣り合わせのストーリーが展開されていく。
主人公のヴァイオレットはとても可愛らしい少女であるが、かつては‘‘武器’’と呼ばれていた感情のない戦う‘‘兵器’’として育てられた存在。
そんな彼女が心優しきギルベルト少佐に拾われ、ヴァイオレットと名付けられたことから、言葉を覚え、感情をも学んでいくことになるのだ。
しかし、戦争の悲劇が彼らを襲い、任務中に瀕死の重傷を負ってしまう。
ヴァイオレットは両腕を失い、ギルベルト少佐の行方も分からなくなってしまうのだ。
ギルベルトはヴァイオレットに「心から愛してる」という言葉を残していた。
‘‘愛’’という言葉の意味が分からないヴァイオレットは、その意味を学ぶために、「自動手記人形」という代筆屋で仕事をすることを決め、いつか、ギルベルト少佐と再会した時に、‘‘愛’’という言葉を理解していたいという思いから、様々な仕事を通じて、人の心を学んでいくことになる。
神エピソード満載でとにかく泣ける
本作は、とにかく泣けるアニメ。
そのため、最近泣けてないなという視聴者の涙活にはもってこいの作品と言えるだろう。
とにかく、人の心や言葉を理解しきれていない主人公のヴァイオレットが、様々な境遇の人々による手紙を代筆することで、一つ一つの言葉の重要さや気持ちを表現するための文章というものを学んでいき、笑って、泣いて、怒ってという元来人間に備わっている感情というものを露にしていく。
本作で描かれている「自動手記人形」とは「代筆屋」のことを指すのだが、その由来は、劇中でオーランド博士という人物が、盲目になってしまった小説家の妻のために開発された機械のことだとされている。
それがいつしか、手紙を代筆する「代筆屋」もそう呼ばれるようになったということだが、奇しくもヴァイオレットは、この仕事を始めた当初、まるで機械や人形のような存在感を放っているのだ。
そんな彼女が代筆業を巧くこなし、言葉や気持ちを学んでいき、「自動手記人形」として成長していくと同時に、皮肉にもヴァイオレットは一人の‘‘人間’’となっていく様子が描写されていく。
それらの描写が非常に小気味よい、かつ、涙を誘うのだ。
特に神エピソードと称されている第10話は、絶対に涙なしには観られない。
今までの人生で観てきたアニメの中でも屈指の神回と言えるようなエピソードである。
作画がスゴい！京アニの実力を観た！
最近のTVアニメというのは映画級のクオリティを誇った作画がとても印象的であるが、この『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』という作品の作画には目を見張るものがある。
アニメーション制作を担当したのは、京都アニメーション。
『涼宮ハルヒの憂鬱』や『けいおん!』、『小林さんちのメイドラゴン』などで知られる製作会社で、その滑らかな描写や表情豊かなキャラクター描写が実に見事！
ここまで、アニメ全体が感情を持っているような印象を受けた作品は正直なところ初めてだ。
そのクオリティの高さは、「京アニクオリティー」と称され、国内外で人気を得ているほか、『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』は、第5回京都アニメーション大賞の大賞受賞作でもある。
C.H郵便社の社長クラウディア・ホッジンズや先輩自動手記人形であるカトレア・ボードレールを初めとした仲間たちに支えられながら、様々な人々の代筆を通して、多くのことを学んでいく、ヴァイオレット・エヴァーガーデン。
物語が進むにつれて、大きな喪失を味わうこともあるのだが、それでも前を向く、彼女のひたむきな姿に胸を打たれることだろう。
絶対に涙なしには観られない！究極の泣けるアニメ『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』おススメだ。（文・構成：きさつ卍じゅじゅつし）
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