【レビュー】尾道の風情漂う街並みが映える…『時をかける少女』(1983)
1983年に公開された名作『時をかける少女』は、大林宣彦 監督による「尾道三部作」の一本。今回は、あらすじ、感想をお届け!
『時をかける少女』あらすじ
筒井康隆の名作SF小説を、「転校生」の大林宣彦監督が映画化した青春ファンタジー。高校生の芳山和子は、学校の実験室で白い煙とともに立ちのぼったラベンダーの香りをかいだ瞬間、意識を失い倒れてしまう。それ以来、時間を移動してしまうような不思議な現象に悩まされるようになった和子は、同級生の深町一夫に相談するが……。
感想:尾道の風情漂う街並みが映える…
この年代の作品にして、すでにタイムリープやテレポーテーションといった類の要素をしっかりと機能させているのは凄いし、ルールや設定を明確にしている点にも驚かされた。
しかしながら、やはりストーリーテリングに若干の難を感じる次第で、結局どういうことだったのかというのを、最後の最後に台詞で説明せざるをえなかった部分は、なんとも言えない気持ちにさせられた。
それでも日本映画のSFというジャンルを開拓した作品だと思うし、色彩の変化で現実と虚構の狭間を表現する描写は見事なものだ。