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【Column】アンドロイドVS人類!未知の惑星を舞台に繰り広げられる『レイズド・バイ・ウルブス/神なき惑星』がスゴイ!

4月27日ブルーレイ発売開始となる海外ドラマ『レイズド・バイ・ウルブス/神なき惑星』。

巨匠リドリー・スコットが製作総指揮を務め、TVドラマ初監督を務めたことでも話題となっている本作は、アンドロイドや人工知能が進化を遂げていく現代へリドリーからの警告も込められた作品である。

 

 

人工知能(=AI)が急速な進化を遂げている、現代。
人々の生活がどんどん便利になり、より良い日々を送れるようになったのは事実であるが、近い将来、人間の知能をもAIが超えてしまい、ライフスタイルが大きく変わってしまうことも予見されている。
人工知能が技術的特異点、いわゆるシンギュラリティに到達した際には、人々の生活が機械に乗っ取られてしまう可能性だってある。
それだけ人工知能は人々の生活をより良い方向に導きながらも、同時に大きな危険性も伴う、非常に脆い存在なのだ。
そんな近未来、人類が直面するかもしれない最悪の未来を描き出した作品が、HBO MAXオリジナル作品『レイズド・バイ・ウルブス/神なき惑星』である。
『エイリアン』(1979)や『ブレードランナー』(1982)で有名な巨匠リドリー・スコットが製作総指揮を務め、メガホンをとった本作の魅力を紹介しよう。

 

アンドロイドVS人類!未知の惑星を舞台に繰り広げられるストーリー

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『レイズド・バイ・ウルブス/神なき惑星<シーズン1>』©2022 WarnerMedia Direct, LLC. All Rights Reserved. HBO Max™ is used under license.

 

『レイズド・バイ・ウルブス/神なき惑星』のストーリーは、2体のアンドロイドが未知の惑星に着陸することから幕を開ける。
遠い未来、人間とアンドロイドによる戦争が勃発し荒廃した世界。
マザーとファーザーと呼ばれる2体のアンドロイドは、人間の子供を作り、育てることで、神々を崇めない信仰のない世界を作ることを目指していた。
しかし、未知の惑星での生活は困難を極め、次々と子供たちは病死してしまう。
そんな中で生き残った末っ子のキャンピオン(ウィンタ・マクグレイス)を育てるマザーとファーザーの前に、ある日、人間であるミトラ教徒たちが姿を現す。
ミトラ教徒はアンドロイドを良く思っていない者たちであり、一触即発の事態に陥ってしまう…。

 

 

 

『レイズド・バイ・ウルブス/神なき惑星』から発せられるリドリー・スコットの警告とは?

本作で製総指揮を務めるリドリー・スコットがこれまで作り出してきた作品を思い返してほしい。
実はリドリーがメガホンをとったSF作品にはほぼ必ずアンドロイドが登場しているのだ。
1979年の『エイリアン』にはアッシュという名のアンドロイドが登場し、2012年の前日譚『プロメテウス』からマイケル・ファスベンダー演じるデヴィッドというアンドロイドが物語のキーパーソンとなった。
リドリーのもう一つの代表作である1982年の『ブレードランナー』も‘‘レプリカント’’と呼ばれるアンドロイドの悲哀を見事に描き切った。
つまりリドリー・スコットとアンドロイドというのは切っても切り離せない関係性にあるのだが、『レイズド・バイ・ウルブス/神なき惑星』では、リドリーから全人類へと向けたアンドロイドに対する警告のようなものが描かれているのだ。

 

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『レイズド・バイ・ウルブス/神なき惑星<シーズン1>』©2022 WarnerMedia Direct, LLC. All Rights Reserved. HBO Max™ is used under license.

 

本作の物語の舞台は、2100年代という遠い未来である。
人工知能やアンドロイドは高度な進化を遂げ、今や人間の子供さえも作れてしまう未来である。
こうした世の中は人々に‘‘暗黒の未来’’をもたらし、人類とアンドロイドによる戦争が勃発。地球はたちまち火の海となってしまった。
かつてリドリー・スコットは、アンドロイドについて、こう語っていたことがある。

「自分がもしもAIを作るとしたら、感情の機能は組み込まない。感情は、欺瞞、怒り、激情、憎悪、そして愛などのはけ口を求める」

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『レイズド・バイ・ウルブス/神なき惑星<シーズン1>』©2022 WarnerMedia Direct, LLC. All Rights Reserved. HBO Max™ is used under license.

 

人工知能に感情を組み込むことが反乱を巻き起こすというのだ。
こういったリドリー・スコットが抱くアンドロイドに対する危機感を前面に映し出しているのが本作なのである。

 

本作の主人公にあたるマザーは、未知の惑星における理想的な生活が脅かされたことにより、ネクロマンサー(目を見ただけで人間を滅ぼす姿)へと覚醒し、大殺戮を繰り広げる。
これも常軌を逸した‘‘愛’’があってこその行いであろう。
アイザック・アシモフが提唱した「ロボット三原則」を真っ向から無視した行動であるが、自我に目覚めてしまったアンドロイドに「三原則」はもはや通用しないのかもしれない。
ミトラ教徒の人間たちとアンドロイドのどちらにも、それぞれの意見があり、決してどちらか一方が‘‘正義’’として描かれているわけではないところが、本作の最大の魅力となっている。
奥深いテーマを扱ったシリアスな作品であるが、リドリー・スコットのSF作品らしく、未知の生命体や未来的なデザインの宇宙船なども多数登場し、SFファンとしては最高に楽しめる作品である。

 

主演女優アマンダ・コリンの無機質な表情がすごい!

『レイズド・バイ・ウルブス/神なき惑星』は、主にアンドロイドの登場人物たちを主軸に展開されていく。
中でもマザーと呼ばれる女性型アンドロイドが印象的な活躍を魅せるのだが、同役を演じるアマンダ・コリンの演技が素晴らしい。

 

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『レイズド・バイ・ウルブス/神なき惑星<シーズン1>』©2022 WarnerMedia Direct, LLC. All Rights Reserved. HBO Max™ is used under license.

 

デンマーク出身のアマンダは2016年公開の映画『特捜部Q Pからのメッセージ』などに出演してきた女優であるが、本作で魅せるその圧倒的無機質な表情が、尋常でない恐怖を醸し出す。
感情を決して表情に出すわけではないのだが、それでも人間にはない強大な‘‘何か’’を滲ませた演技は、マザーに感情があることを匂わせる。
自分たちの生活を守るために、ミトラ教徒の巣窟に単身飛び込んでいく姿は、禍々しいオーラさえ放っているのだ。
新たな‘‘北欧の才能’’の登場に、驚かされること請け合いである。

また人間側であるミトラ教徒の主要人物として据えられているのが、トラヴィス・フィメル演じるマーカスだ。

 

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『レイズド・バイ・ウルブス/神なき惑星<シーズン1>』©2022 WarnerMedia Direct, LLC. All Rights Reserved. HBO Max™ is used under license.

 

第2話の段階で驚愕の真実が明らかになる役どころであり、彼もまた大きな‘‘何か’’を背負っているキャラクターなのだ。
そんなマーカス役を演じているトラヴィスのワイルドな存在感が際立っており、『ヴァイキング ~海の覇者たち~』で魅せた決意みなぎる表情の数々を本作でも大いに見せつける。
作品全体を支配した貫禄の演技と言っても良いだろう。
ラヴィス・フィメル演じるマーカスとアマンダ・コリン演じるマザーの緊迫感漂う掛け合いも見どころとなっている。

 

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巨匠リドリー・スコットからの痛烈なメッセージが込められた、SF超大作『レイズド・バイ・ウルブス/神なき惑星』。
さすがは巨額の製作費を投入するHBO MAX作品であるだけに、その大迫力の映像とリアリティある演出は映画をも凌駕する。
再び、HBOから海外ドラマの歴史を変えるような名作が誕生したと言えるだろう…。(文・構成:zash)

 

作品情報

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『レイズド・バイ・ウルブス/神なき惑星<シーズン1>』©2022 WarnerMedia Direct, LLC. All Rights Reserved. HBO Max™ is used under license.

 

「レイズド・バイ・ウルブス/神なき惑星<シーズン1>」

4/27ブルーレイ発売開始/ダウンロード販売・デジタルレンタル配信中、DVDレンタル中

ブルーレイ コンプリート・ボックス(3枚組)13,000 円(税込)

発売元:ワーナー・ブラザース ホームエンターテイメント

販売元: NBC ユニバーサル・エンターテイメント

©2022 WarnerMedia Direct, LLC. All Rights Reserved. HBO Max™ is used under license.

 

マーカス役トラヴィス・フィメル特集も併せてご覧ください

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