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映画『NOPE/ノープ』で話題沸騰!ジョーダン・ピールが手掛ける海外ドラマ『トワイライト・ゾーン』が面白い!【あらすじ・キャスト・見どころ】

2022年8月26日より全国ロードショーの映画『NOPE/ノープ』で、監督・脚本を務めるジョーダン・ピール

もはや天才と呼ぶだけでは物足りないほどの類まれなる才能を発揮し続けるピールが手掛けた海外ドラマ『トワイライト・ゾーン』を知っているだろうか?

後世に多大な影響を与えた名作SFホラー・ドラマが、現代的なテーマの元、新たな‘‘恐怖’’を携えて帰ってきたのだ。ここでは、本作の魅力に迫る!

 

 

遡ること60年前…。

一本のSFホラー・ドラマが人々を戦慄させた。

ごくごく平凡な日常の中に混在する、非日常的な世界。

そこで繰り広げられる‘‘恐怖’’はフィクションでありながら、どこか現実世界のリアリティを醸し出していた。

SFホラー・ドラマの名作として今なお語り継がれる『トワイライト・ゾーン』である。

 

 

 

ロッド・サーリングが生み出した『ミステリー・ゾーン』とは?

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トワイライト・ゾーン』は、名脚本家として知られるロッド・サーリング原案・ナレーションにより、1959年から1964年まで米CBSにて放映された、SFホラー・ドラマである。

毎エピソード、その時のご時世を汲み取った社会性に富んだテーマの元、斬新なストーリー展開で視聴者に恐怖を与えるスタイルは、当時、大きな話題を呼んだ。

あのスティーヴン・スピルバーグロバート・ゼメキスといった名匠たちから‘‘モダン・ホラーの帝王’’と称される作家のスティーヴン・キングにいたるまで、多くのクリエイターやアーティストたちに多大な影響をもたらしたことでも知られている。

ここ日本にも、本国での放送開始から1年後の1960年に『未知の世界』のタイトルで放映され、その後『ミステリー・ゾーン』というタイトルに変更されながらも、高い視聴率を記録。

未だオリジナルコンテンツに乏しかった日本のお茶の間に‘‘恐怖’’をもたらしたのだ。

日常と非日常の狭間で物語が展開される部分などは、のちの『世にも奇妙な物語』や『ウルトラQ』といった作品にも影響を与えたと言われている。

もともとは本作で原案・ナレーションを務めているロッド・サーリングが大学卒業後に書いた『ザ・タイム・エレメント』を原作とするエピソードが好評だったことからシリーズ化されたという背景があり、彼が尊敬する脚本家を起用することで、物語に幅を利かせた。

中にはサーリング自身の実体験に基づく社会的なメッセージも組み込まれており、マイノリティが声を上げることが難しかった時代に、人種問題や政治に鋭く切り込んだ作風が多くの視聴者の共感を呼んだのだ。

 

そんな『トワイライト・ゾーン』は、1983年にスティーヴン・スピルバーグジョージ・ミラーといった映像作家たちが各1話ずつ監督したオムニバス映画『トワイライト・ゾーン/超次元の体験』として映画化され、1985年には米CBSでサーリングによる未映像化脚本を基にした『トワイライト・ゾーン 最終章 ロッド・サーリング・スペシャル』が放送された。

さらに2002年には名優フォレスト・ウィテカーをホストに迎えたリメイク版も放映。
その時代、その時代における‘‘恐怖’’を視聴者に見せつけてきた。

そして、時代は進み、2019年。三度(みたび)、復活の時を迎えた『トワイライト・ゾーン』は、現代らしいテーマの元、新たな‘‘恐怖’’を描き出す。

 

 

 

リブート版『トワイライト・ゾーン』で描かれる新時代の‘‘恐怖’’

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リブート版『トワイライト・ゾーン』は、時代の変化を大いに感じさせる。

オリジナルの初回放送からすでに60年が経過しているということもあり、その映像の進化はもちろんなのだが、物語のテーマとして扱われている題材も、とても現代らしい。

人々はSNSなどを通じて、より‘‘繋がり’’を求めるようになり、常に映像や写真を記録として残すようになった。

そんな現代人の日常の中に、ありとあらゆる‘‘恐怖’’を落とし込んでいるのが素晴らしい。

さらに新作エピソードだけでなく、オリジナル版の「二万フィートの戦慄」へのオマージュとなる「三万フィートの戦慄」というエピソードも存在しており、オリジナルからアップデートされたその物語に再び恐怖すること請け合いである。

リブート版の記念すべき第1話は売れないコメディアンを主人公にしており、彼が‘‘笑い’’を得るために‘‘代償’’を差し出し、どんな結末を迎えるのかが映し出される。

 

 

 

天才ジョーダン・ピールが誘う異次元の旅

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オリジナル版ではロッド・サーリングがナレーターを務め、より一層の恐怖を醸し出していたが、リブート版となる『トワイライト・ゾーン』でホストを務めるのは、製作総指揮も兼任するジョーダン・ピールである。

映画『ゲット・アウト』(2017)でアカデミー脚本賞を受賞。その後も『アス』(2019)、『NOPE/ノープ』(2022)と独特な世界観を持ったホラー映画を次々と打ち出し、天才と称される男がロッド・サーリング、フォレスト・ウィテカーからホストの座を継承し、人々に戦慄の恐怖を与える。

その独特な語り口は、不気味さを大いに醸し出し、視聴者を異次元の旅へと誘う。

本作は、アンソロジー・シリーズのため、毎エピソード登場するのはジョーダンのみである。

しかしながら、あまりにも豪華なゲスト俳優たちが各エピソードを盛り上げているのも魅力的だ。

第2話「三万フィートの戦慄」には『パークス・アンド・レクリエーション』のアダム・スコット、第4話「旅行者」には『ウォーキング・デッド』グレン役で有名なスティーヴン・ユァン、第5話「神童」には映画『スター・トレック』シリーズのスールー役でおなじみのジョン・チョーといった面子が顔を揃えている。彼らが‘‘トワイライト・ゾーン’’で恐怖におののく姿は必見だ。

 

オリジナル版の初回放送から60年の時を経て、三度(みたび)復活を果たした、戦慄のホラー・アンソロジートワイライト・ゾーン』。

ジョーダン・ピールの新作『NOPE/ノープ』と併せて、ご覧になってみてはいかがだろうか?

 

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異次元の旅へようこそ。

そこは、目と耳と心で感じる世界。

光と影の狭間にあって、科学と迷信の間を漂い、恐怖のどん底と英知の高みの間に存在する、想像を超えたその先にある世界。

それこそが、トワイライト・ゾーンです。(文・構成:zash)

 

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