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【Column】『仮面ライダー』はいかにして歴史を築いたのか?画期的だった3つの理由

東映特撮YouTube Officialにて毎週水曜日に配信されている『仮面ライダー』。すでに50年以上の歴史を築き上げ、今なおシリーズ最新作が製作され続けている、とんでもなく稀有なヒーロー作品だ。

そんな『仮面ライダー』は、1971年の放映開始当時、きわめて画期的な作品であった。

ここでは「仮面ライダー」シリーズの歴史を紐解きながら、その魅力に迫ってみよう。

 

 

悪の組織ショッカーによって改造された青年

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石ノ森章太郎原作の『仮面ライダー』は、1971年にTVに姿を現した。

世界征服を企む秘密結社・ショッカーにより改造手術を施された青年・本郷猛(藤岡弘)が、脳手術を前に、恩師の緑川博士により救われ、仮面ライダーとしてショッカーの魔の手から世界の平和を守ることになるストーリーが展開された。

 

そもそも「仮面ライダー」は、何故バッタモチーフなのか?

それは、原作者の石ノ森章太郎が、当時の日本および世界における自然破壊を危惧し、その象徴としてバッタをデザインの基調にしたと語られており、「仮面ライダー」はまさに地球の強さの象徴と言っても過言ではないのだ。

 

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敵の力を持って敵を制す

仮面ライダー』という作品が画期的だった理由は、大きく分けて3つある。

一つ目の理由は、「敵の力を持って敵を制す」ということだ。

元来、ヒーロー作品に登場する正義の味方というのは、敵となる存在とは一線を画す存在だった。

ましてや、敵と同じ組織から生まれたなんてことはあり得ないことだった、

ところが『仮面ライダー』という作品は、悪の秘密結社・ショッカーによって生み出された改造人間が、人類の自由のために戦い続けるというストーリーである。

いわば、悪者によって作り出された存在なのだ。ショッカーの科学力によって得た力であるが、それを利用しない手立てはない。

主人公の本郷猛は、改造人間としてショッカーと戦うことを宿命と受け止め、「敵の力を持って敵を制する」決意を固めるのだ。

この「敵の力を持って敵を制す」というプロットは、令和になった現在でも受け継がれている要素である。

 

 

 

改造人間の悲哀

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二つ目は、仮面ライダーというのは孤独な戦いを強いられる、いわゆる一匹狼的なヒーローであるという点。

第1話「怪奇蜘蛛男」でも描写されていることであるが、本郷猛はもはや普通の人間ではない。

常人以上の力を持った、いわば怪物なのだ。

さらにはショッカーから命を狙われる身でもあり、正体を明かせば家族や友人を危険にさらしてしまう…。

仮面ライダー』は、それまでのヒーロー作品にはなかった骨太なドラマ、つまりは改造人間として生きる若き青年の悲哀を中心とした圧倒的なヒロイズムを映し出し、当時の子供たちを大いに熱狂させたのだ。

 

 

 

社会現象を巻き起こした‘‘変身ブーム’’

そして、三つ目は何と言っても変身ポーズだ。

実は『仮面ライダー』最初期の本郷猛編では、変身ポーズが描かれていないことを知っているだろうか?

もともと仮面ライダーはベルトに風圧を受けることで変身する。初期の本郷はバイクにまたがり、疾走することで変身していたのだ。

では、どのようにして変身ポーズが登場したのか?

それは『仮面ライダー』第9話、第10話の撮影中にオートバイによる事故で重傷を負った本郷猛役の藤岡弘に代わり、佐々木剛演じる一文字隼人を仮面ライダー2号として登場させたのがきっかけとなる。

この一文字隼人が、第14話「魔人サボテグロンの襲来」で変身ポーズを見せたことがそもそもの始まりだった。

この変身ポーズは、たちまち子供たちを夢中にさせ、ごっこ遊びでマネをする子供たちが続出。

高いところからジャンプしてケガをする子供も同時に急増したことから、『仮面ライダー』本編で注意喚起がされたほどだ。

仮面ライダー」における変身ポーズは、現代になっても重要視されており、新たな仮面ライダーが登場するたびに、どんな変身ポーズを見せるのか、楽しみにしているファンも多い。

 

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「昭和」「平成」そして「令和」へと受け継がれる遺伝子

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仮面ライダー」シリーズは、その後も『仮面ライダーV3』(1973-1974)、『仮面ライダーX』(1974)、『仮面ライダーアマゾン』(1974-1975)、『仮面ライダーストロンガー』(1975)、『仮面ライダー(スカイライダー)』(1979)、『仮面ライダースーパー1』(1980-1981)、『仮面ライダーBLACK』(1987-1988)、そして1989年の『仮面ライダーBLACK RX』で一旦幕を下ろすまでの間に、TVシリーズにして10作品が放映され、日本が誇るスーパーヒーローとして世界でも知られるようになった。

 

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21世紀を迎えた2000年には、当時、11年ぶりとなるTVシリーズ仮面ライダークウガ』の放映が開始。
「昭和仮面ライダー」シリーズとは異なり、徹底したリアリズムにこだわり、子供だけでなく大人でも楽しめる作品を目指し、幅広い視聴者を獲得。
2009年の『仮面ライダーディケイド』までを「平成第1期」、2009年の『仮面ライダーW』から2018年の『仮面ライダージオウ』までを「平成第2期」と呼び、全20作品にわたり幾多の進化を遂げてきた。

 

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そして、時代は「平成」から「令和」へと移り変わり、「仮面ライダー」の歴史も新たな転換期を迎えている。

「昭和」から「平成」、そして「令和」へと受け継がれるヒーローの遺伝子。

50年に及ぶ歴史において、栄光の初代仮面ライダーがもたらした影響は計り知れない。(文・構成:zash)

 

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