ディズニープラスにて2022年4月1日より配信中の映画『ブロードウェイ ドリーム!』(2022)は、ただのファミリー向け映画ではない。いま夢を追いかけている夢追い人にも、志半ばで挫折してしまったかつての夢追い人にも刺さる痛快ポジティブムービーなのである。
人間誰しもが‘‘夢’’を抱く。‘‘夢’’があれば、人生がより一層華やかなものになり、生きる希望を見出すことができるからだ。
‘‘夢’’を追いかけるのに年齢なんて関係ない。何歳になっても‘‘夢’’を追いかけている人はカッコいいし、輝いているものだ。
しかしながら、誰もがその‘‘夢’’を叶えられるわけではない。残酷だが、これが真実だ。
いま‘‘夢’’を追い続けている人も、かつて‘‘夢’’を諦めてしまった人も、すべての‘‘夢追い人’’に観てほしい作品がディズニープラスに登場した。
それが『ブロードウェイ ドリーム!』である。
ブロードウェイの舞台に立つことを夢見る少年の大冒険
ペンシルバニア州のピッツバーグに住む13歳の中学生ネイト・フォスター(ルービー・ウッド)は、いつかニューヨークのブロードウェイの舞台に立つことを夢見る中学生。
しかし、現実は自分が通う中学校の演劇部のオーディションでセリフがある役をもらったことがない冴えない学生だ。
そんなある日、ネイトの唯一の親友であるリビーがブロードウェイで上演される「リロ&スティッチ:ザ・ミュージカル」(“Lilo and Stitch: The Musical”(原題))のオーディションがあることをネイトに知らせる。
2人は両親に内緒で、ニューヨークへオーディションを受けに旅立つが、様々な困難が彼らを待ち受けているのだった…。
"夢"を追いかけた経験のある夢追い人ならば、必ず刺さること間違いなしのミュージカル・コメディ!
『ブロードウェイ ドリーム!』は、一見するとファミリー向け映画の印象を拭い去れない作品かもしれないが、決してそんなことはない。
いや、むしろ成熟しきった大人にこそ響く映画と言えるかもしれない。
13歳の少年が夢を追いかけて、家を飛び出し、
ブロードウェイでひたむきに夢を追い続ける姿を映し出しているの
だが、才能を認めてもらえず居場所のなかった少年が、
ニューヨークという
舞台芸術の都で評価されていく様が実に小気味いい。
しかも劇中にこれと言って大きな挫折を描いているわけでもない、ポジティブムービーであるところもまた素晴らしい!
『ベビーシッター・アド
ベンチャー』(1987)
を思わせる
ティーン映画の範囲は出ていないかもしれないが、
それでも劇中の楽曲なども心に響き、
かつて夢を追いかけていた幼き日の"自分自身"
との思いがけぬ邂逅を果たせること請け合いだ。
本作は、TVドラマ『ハイスクール・ミュージカル:ザ・ミュージカル』のクリエイターであるティム・フェデラー監督が、2013年に出版した子ども向け小説『Better Nate Than Ever(原題)』を原作としている。
小説執筆に至ったきっかけは、自身が子供の頃に
、ピッツバーグの小さな劇場の舞台に立ったことだったという。
つまり本作の主人公ネイトは、
フェデラー自身が大きく投影されたキャ
ラクターなのである。
フェデラーは「
子どもの頃に大きな夢を持ち、実際にその夢を成し遂げる人はごく僅かだが、可能性はゼロではないということをこの映画を見て感じてくださったら嬉しい」と語っている。
まさにその言葉通りの印象を与える一本である。
新星ルービー・ウッドの素晴らしい歌声
主演を務めるルービー・ウッドの初々しい演技は素晴らしく、透き通るような歌声も圧巻!
ひたむきに夢を追いかける姿に感情移入してしまうことは間違いなく、ハツラツとした表情から勇気、希望、そして元気をもらったことは言うまでもない。
また、主人公ネイトの叔母役で大ヒット海外ドラマ『フレンズ』のリサ・クドローが出演しており、彼女の抱擁力のある演技も素晴らしかった。
奇しくも『フレンズ』と同じくニューヨークを舞台にした作品であるが、"フィービー"も大人になったものだとつくづく感慨深い気持ちにさせられた次第。
『
ハイスクール・ミュージカル:ザ・ミュージカル』で主演を務めているジョシュア・バセットも主人公の兄役として良い存在感を放っている。
すべての‘‘夢追い人’’に贈る、痛快
ミュージカル映画『ブロードウェイ ドリーム!』。
これから‘‘夢’’を歩み始める人も、‘‘夢’’を諦めてしまった人も、本作を鑑賞して明日への活力をチャージしてもらいたいものだ。
『ブロードウェイ ドリーム!』は、ディズニープラスで独占配信中!(文・構成:zash)
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